たまにはゲームの話を

今日、PSP版の『ヴィーナス&ブレイブス』の発売日である事を思い出して、ちょっとこのゲーム対する想いをつらつらと。

ストーリーをまず最初にざっくり言うと、100年後に予言された災厄を回避するために、不老不死の男が戦い続けると言う物。


100年後の予言とあるように、このゲーム内で流れる時間は、本当に100年。普通の人間の寿命は、現在でも80歳くらいだから、当然序盤に登場するキャラクターは、物語の後半では老衰やら病気で死んでしまう。
主人公こそ不老不死ではあるけれど、仲間キャラはみんな普通の人間なんで、時間とともに主人公前を通り過ぎて行く。
けれど、通り過ぎてそこで終わりじゃなくて、通り過ぎた人間たちも、何かしろ次の世代に残して行く。

まあ、序盤の台詞を、老戦士が、自分の弟子に語る言葉を一部抜粋するんだけど。

それを"借り"と呼ぶなと奴は言った。
どうせなら"恩"にしてくれとな。
だから、わしは奴に恩返しせねばならん。
わしの一生くらいじゃ返しきれんから
おぬしを育てた……
託しても良いな?

とまあ、こんな感じに。

基本的に、RPG。それこそ今やってるテイルズリレーの原作、テイルズシリーズでもそうだけど、最終的に世界の命運って、特定の数人の手に渡る事が多いのだけど、このゲームは、本当に普通の人間。主人公こそ、不老不死と言う立場ではあるけれど、老いて死んでいくキャラクター、同じ顔をした汎用キャラクター、町の住人、1人1人が世界を救うために戦っていて、それを強く感じられる。
先ほど、不老不死と言った主人公にしても、何百年も生きていると言うけれど、その考え方は、よくある達観した人間ではなくて、甘さが残り、非常に人間的。
予言を回避するため、決して負けられない戦いをしている。当然、多くの人間の命がかかるわけだから、非情な判断を求めらるし、外野からも同じような事を言われる。
でも、まあ、やっぱり主人公は情を捨てる事が出来なくて、序盤は本当に悩む。その姿は、行ってみれば会社で上司と部下の板挟みになる中間管理職の人間みたいで、とても不老不死の超人とは思えない。ゲームの世界に生きている人間の一人だと、気づかされる。
その彼が100年戦う上で得た答えは、至上のものであったし、100年の戦いの結果、彼の出した答えが間違って居なかった事を、同じ時間付き合ったプレイヤーである僕達も気づく。

まあ、うん、つらつらと語ってしまった。
世代を超えて受け継がれる意志、とかそう言った言葉に弱い人は、是非ともプレイして欲しい。
仮に序盤をプレイしてつまらないと思っても、作中時間で10年過ぎるまでプレイして欲しい。そこまでプレイして肌に合わなかったら、もうしょうがないとは思うけど。